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Tue
Jan
2010
2009年度事業報告 青少年感動体験委員会
2009年度 事業報告
青少年感動体験委員会
委員長 櫛渕 洋介
事業目的
当委員会では、人間関係の希薄化が現代社会の問題点の一つ捉え、演劇事業を通じて人と人の“つながりの場”を提供することにより、「人と関わりながら自分をみつめ、自分を堂々と表現しながらまた人と関わっていく」子どもを育てたいと考えました。
また、前2回の演劇事業で生まれ育まれた「感動」を利根沼田に更に広げ、根付かせていくことを目的として、高齢者世代との交流を図り、軸となる地域スタッフの育成を柱にして事業を推進いたしました。
事業報告
●公演開催
2月下旬 劇団員募集パンフレット配布
利根沼田28小学校(5、6年生)
3月30日 3月第2例会
「劇団・夢への架け橋が描く夢」 ~演劇から育つもの~
ゲスト: 黒田 まり子氏、林 健樹氏
8月11日 群馬テレビ取材(第20回練習)
8月27日 全体説明会(動員会議)
8月下旬~ 公演ポスター・パンフレット・チケット掲示、配布
利根沼田小中高校49校及び地域内各所
9月23日 FMOZE劇団員出演
10月 4日 10月第1例会
劇団・夢への架け橋 第3回演劇公演「夏休み」 於 利根沼田文化会館大ホール
脚本:斉藤 俊雄氏、演出:黒田 まり子氏、演技指導:林 健樹氏
10月18日 公演打ち上げ「劇団・夢への架け橋第3期生修了式」 於 沼田商工会館ホール
●演劇練習
4月16日 第1回演劇練習 ~ 第35回演劇練習(10月 3日)
原則毎週木曜日開催、7月以降の臨時練習含む
7月18日 劇団員の観劇
前橋女子高校ミュージカル「灰になった街」 於 前橋ベイシアホール
●高齢者との交流
8月 2日 戦争体験者との交流会(第19回演劇練習) 於 沼田小学校体育館
9月 5日 近隣高齢者へのPR、高齢者施設訪問(第28回演劇練習)
於 沼田北小学校体育館、ゆうハイム くやはら
●ごったく祭り朗読劇
10月27日 第1回朗読劇練習 ~ 第7回朗読劇練習(12月 5日) 設営含む
12月 6日 朗読劇公演「あらしのよるに」シリーズ 於 保険福祉センター(ごったく祭り)
委員会開催数 19回
演劇練習開催数 35回
朗読劇練習開催数 7回
総評
当委員会では「感動」をキーワードにして、以下4つの柱を軸に1年間事業を展開してまいりました。
1.「感動」を伝えるための演劇公演の開催
2.「感動」を育むための青少年・地域スタッフとの交流
3.「感動」を広げるための高齢者世代との交流
4.「感動」を継続するための劇団の骨格づくり
1については、後援依頼にはじまり、劇団員募集、ポスター・パンフレットの配布、会場準備まで、一連の工程が過去2回の試行錯誤を経て明確になっていたおかげで、見通しをもって公演開催まで進めることができました。今年度は更に多くの人に事業の意義を理解してもらうべく、積極的にマスコミにアプローチした結果、テレビ・新聞でそれぞれ2回づつ報道される機会を得ました。中身のある事業の企画・実行を大前提として、JC周辺に留まらない積極的なアピールは、今後の沼田青年会議所運動をより効果的なものにしていく上で重要な要素と考えます。
また、公演当日につきましては、観客アンケートで98%に「今後の演劇公演を期待する」と回答頂いたように、本番で本領を発揮した子ども達と永井さん・真下さんの熱演、それを支えるスタッフの情熱から、「感動」が会場全体に伝わったものと自負しております。
2については、「人と人のつながり」を目標に掲げ、青少年育成を志す当委員会にとっては、事業の核と位置づけ、演劇練習を通じて子ども達の主体性を生かしていくことを主眼に取り組みました。が、正直な評価として十分とは言い難く、結果としては子ども達に向かう大人の姿勢を最も考えさせられた部分となりました。限られた時間内で目標に向かっていく集団の雰囲気を作るには、環境を作り、子どもの“本気”を待つばかりでなく、子どもに大人の“本気”を積極的にぶつけていくアプローチをもっと増やすべきだったと反省しております。
また、継続的な課題であった委員会以外のJCメンバーの効果的な関わりについても、問題解消することができませんでした。劇団なので演劇を通じて交流を図りたいと考え、練習に訪れたメンバーにはできるだけ役割をお願いして、部分的にでも練習に参加してもらおうと試みましたが、練習への勧誘方法を含めて不十分でした。
反省の多い練習過程(交流部分)でしたが、その中でも子ども各個の努力、子ども同士のぶつかり合いを通して、4月当初から大きく成長した子ども達もたくさんいました。その意味では、思い通りにいかなかった部分も含めて、人と人の関わりから子どもも大人も多くのことを学んだ1年間でした。
3については、演劇製作に追われる中で、当初計画より回数・範囲とも小規模で、最低限度の実施となってしまいました。ただ、実施できた部分では、子ども達の歌やダンスに涙を流す高齢者の方がいたり、戦前の遊びの話に真剣に聞き入る子どもの姿があったりと、双方にとって有意義な時間となりました。「子どもと高齢者の交流」は期待通りの意義を確認できたので、今後の青少年育成事業でも大いにその機会を活用すべきと考えます。
4については、須田さん、星さん、久保さん、星野さんと練習に継続的に関わる人々が増えたことが今年度の成果の一つです。一方で、子ども達のため、利根沼田のための劇団めざす上で、黒田さん、林さんを中心に、JCメンバーを含めて、それぞれがどういう役割を担って劇団組織を形づくるかは今後の課題です。
以上、振り返ってみると、劇団員の子ども達はもちろん、スタッフの大人達、観客の皆さん他、関わった多くの人々が、それぞれの立場で「感動」を体験したのではないかと思っています。そんな「感動」を生み出す演劇事業を継続して良かった。そして今後とも継続していくべきだと改めて今感じております。また、その「感動」」は多くの人に支えられており、多くの人の時間・労力・思いがあるからこそ「感動」するのだと思います。
中でも、この1年間で最も「感動」を体験したのは自分かもしれません。嬉しいという意味でも悩ましいという意味でも、いろいろな意味で心が動いた1年でした。「来年もやりたい」と屈託なく笑った子ども達、彼らを見守る保護者、共に心を砕き子ども達と向き合った黒田さんをはじめとする劇団スタッフの皆さん、観客の皆さん他、劇団に関わった全ての人達に感謝します。そして、「感動」を味わえる立場に私を置いてくれた宮川理事長、本部の皆さんありがとうございました。委員会メンバーの皆さん、一緒に苦労して一緒に「感動」できて嬉しかったです。本当にありがとうございました。